鍾乳洞と同僚Hさんと洞窟男

 数年前に新井素子駆動旅行で山口県秋芳洞に出向き、この夏には盛岡から2時間半かけて龍泉洞へ行き、来年は高知県龍ヶ洞に足を踏み入れて日本三大鍾乳洞をコンプリートしようと考えている程度のライト鍾乳洞好きのkusigahamaです。

 そんな話を同僚Hさんにしたところ、Hさんはかつて大学の洞窟研究会に所属していた洞窟探検家だったそうで、研究会の先輩が書いたという本を貸してくれました。

 これ。

未踏の大洞窟へ―秋芳洞探検物語

未踏の大洞窟へ―秋芳洞探検物語

 秋芳洞は観光コースを外れてしばらく行くと完全に水没してるんですが、そこをアクアラングを背負って潜水して無理やり進んでいくという話です。水中をしばらく進むと新しい空洞に出るんですが、その先もまた水没していて... と。主人公は洞窟に魅せられたダメ人間で、バイトしては機材を買い、洞窟湖に潜り、命の危険に晒され、時に挫折し、心を病み、なぜか国家権力と戦い、海を渡ったり船酔いしたり、恋などもしつつ、最終的には色んな意味で遠いところへ行き着いてしまうというノンフィクション。一つのことに半生をかけた人間の、迫力に満ちた冒険譚でした。面白いので皆さん読むといいですよ。